にいがた浜辺のチドリんず、です。

2025年、相変わらず鳥のことばっかり考えて終わりそうですが、最後にシロチドリの話を。今年のよかったことです、お読みいただけたら嬉しいです!

活動のきっかけ

ことの発端は今年(2025年)の5月。

いつも海で鳥を観察している友人の鳥見女子がシロチドリの巣を見つけたことでした。LINEで「すごい保護色!」「人に踏まれないか心配」なんてやり取りをしている内に、色々と思うところがあったらしく彼女(以下隊長)はシロチドリの巣に保護柵を設置しました。シーズン中、シロチドリはそれまでに何度も繁殖に失敗していたようでした。

保護柵とは 
巣に格子状の柵をかぶせることでカラスや哺乳類などの天敵から卵を守ることができ、人や車に踏まれるのも防止できる(シロチドリは5㎝の格子から出入り可)。許可を得て設置。

わたしは、保護柵の設置についてやシロチドリの様子について隊長からたくさんの事を教えてもらっていましたが、話をしている内にひょんなことから自分も活動に関わることになり、途中から一緒にあれこれやらせてもらっています。

シロチドリ、こんな鳥が浜にいる。

2025年活動報告

2025年にやったことは以下の通りで、このブログでも都度紹介してくればよかったのですが活動自体がまだまだ手探りだったのと、なかなか忙しかったのとで書くまでには至りませんでした🙇‍♀️

  • 7月、県内の有志でシロチドリの生息状況調査をしたよ(暑かった!)←私は主に中越エリア担当で、たくさんの方にご協力いただきました。大変ありがとうございました!この場を借りて御礼申し上げます。
  • 8月、日本野鳥の会新潟県支部のガールズ探鳥会にて隊長からシロチドリの保護柵を紹介してもらったよ。皆さん、興味津々でした!
  • 10月、活動名が「にいがた浜辺のチドリんず」に決定!かわいい。
  • 12月、チドリんずホームページ公開&バードリサーチ大会で隊長がポスター発表したよ!

な感じです。真夏、炎天下の浜での生息調査はかなり地獄でした・・・浜をどれだけ歩いたのだろう。そして中越エリアは驚くほどシロチドリが見つからない、、😢

ホームページはわたしが作らせてもらったのですが、なかなか可愛いサイトになっているので、これは皆さま是非見てください~!!!


https://chidorins.studio.site/

バードリサーチ大会のポスター発表の内容もホームページのトピックスに上げてありますので、ご興味のある方はそちらもご覧ください。保護柵の効果や、県内生息数の調査結果など書いてあります。

20年で8割減少

わたしが今回シロチドリに興味を持ったのは、隊長らとやり取りする中で、「シロチドリは過去20年で8割減少」(NPO法人バードリサーチ)という事実を知ったからでした。ものすごいスピードで数を減らしており、環境省のレッドデータブックでは2012年に「絶滅危惧Ⅱ類 (VU)」(危急種)に指定され、これはアホウドリやタンチョウと同じランクです。

  • 絶滅 (EX)・・・もう戻らない
  • 野生絶滅 (EW)・・・野生ではもういない
  • 絶滅危惧IA類(CR)・・・絶滅寸前
  • 絶滅危惧IB類(EN)・・・絶滅する恐れが非常に高い
  • 絶滅危惧II類 (VU)・・・絶滅する恐れが高い ←シロチドリ
  • 準絶滅危惧 (NT)・・・絶滅危惧種に移行する可能性

2025年7月17日 シロチドリに思うこと」でも書きましたが、山手住みの私にとってシロチドリは、「海に行った時にけっこう出会う、一年中いる可愛いやつ」という存在でした。それが今回シロチドリに関わって、彼らの置かれている状況を知り、このままではいけない!と強く思いました。

シロチドリが生息する海の砂浜環境は、川からの土砂の堆積によって形成されていますが、河川工事等によって流れてくる土砂が減ったため海岸浸食が進み、各地で砂浜の面積が減少しています。

また、残った砂浜でのレジャー利用の増加により、もともと浜辺に生息していた海浜植物や昆虫・シロチドリなどの生き物がその影響を受けています。

浜辺で休むシロチドリ

みんなの海

海でシロチドリを観察していると、同時に遊びに来る人もたくさん見られて、いかに海が多くの人々に愛され癒しの場となっているかを強く実感します。家族連れや友人・カップルで海を見に来る人、浜で遊ぶ子ども、地元の散歩のおじさん、サーファーや釣り人、写真を撮りに来た人、旅行の途中で立ち寄った人、etc…。

一方で、シロチドリの繁殖に影響を及ぼすであろうアレコレもたくさん目にします。これはシロチドリの受難が続くな…と思うのは大きく以下の2点。(ノラ猫など他にもいくつかありますが)

  1. 車やバイクで浜に侵入する(繁殖期は巣や卵が踏まれてしまう)。
  2. ノーリードで犬を散歩する人がいる(鳥を追いかける)。

減少している砂浜を拡大させるのは個人の力では難しいけれど、浜辺にシロチドリという小さな鳥が暮らしていることを伝えることはできる。多くの方に知ってもらって、みんなが少しづつ譲り合っていけたらと思う。

強い私たち人間も、弱いシロチドリや生き物たちも、みんなが平等に生きられる世界になるといいなと思う。理想かもだけど。

まとめ

という訳で、わたしが少し前からやたらシロチドリのことを書いているのは、チドリんずの活動のためでした。浜に通って観察すればするほどに魅力のある鳥だなぁ、と思う。

撹乱の大きな砂浜という厳しい環境を選んで、天敵やレジャーの圧力に常にさらされながらも、いつもたくましく生きているシロチドリ。

昔は「海ならどこにでもいる」と思われていましたが、新潟県のシロチドリは多分わたしたちが思っているよりもずっと少ない

鳥たちは口をきかない。「仲間が減っているから助けて」とは言わずに、ただひっそりとその姿を消す。口をきかない鳥たちの代弁者になる人がいてもいいのでは?と思いながら隊長以下活動しています。

そして、普段から鳥をたくさん見て、鳥からたくさんのものを受け取っている身として、わたしたちは鳥の存在をもっともっと社会に知ってもらう努力をしなければと思う。

何かを守るためには、やっぱりたくさんの人の力と思いが必要だと改めて感じた1年でした。

一歩ずつ頑張っていきますので、にいがた浜辺のチドリんず 及びシロチドリをどうぞよろしくお願いいたします。シロチドリを見てみたい!という方、ご案内しますのでご連絡ください。一緒にシロチドリの輪を広げていきましょう~^^

以上です。

 

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