ミユビシギのエサは何か?(後編)

ということで(前回はこちら)、ラッキーなことに吐きたてのミユビシギのペリットを拾えた私は、ペリットといえば愛鳥センターのSさん!とひらめく。

どのみち私は顕微鏡などを持っていないので、ちょうど場所も近いことですし、Sさんに!これを!プレゼントしよう!

と思い、電話をして持参しました。

※車までこの状態で歩く。

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(ありがた迷惑かも…)と内心ドキドキしましたが、快く受け取っていただけました^^その場では少しお話をして、お渡しして終了。夕方にSさんがペリットを分解した写真を送ってくださいました。

許可をいただきましたので、写真を紹介させていただきます。

↓ ↓  ちなみに拾った時の写真。表面に甲殻類らしきものが見えます。

野鳥観察の醍醐味は「何食べているのかな?」というところにあると言っても過言ではないですが、多くの鳥がそうであるように、シギやチドリの仲間も例にもれず「何食べているか肉眼では見えない」ですね。

それが、ペリットだったら実際に食べたものが入っている、いわば証拠となるもの。何が出てくるのか、これはワクワクが止まりません!

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Sさんが送ってくれた写真、大きさは長径17mm・短径6mmとのこと。

まずは分解するところ。黄色っぽい部分に砂やら細かいものが混じっているのが分かります。

この中から形の残っているエビっぽいものを拾うようです。

す、すごい!!!甲殻類というのが分かります!!ヨコエビっぽい破片は全部で19個とのことでした。

Sさん、ペリット分解ありがとうございました!

ここで新たな助っ人のMさんが登場。平成5年発行の『野鳥新潟 第87号』に掲載された千葉先生の「シギ類の採餌風景 四ツ郷屋浜での観察日記から」の写しを送ってくださる。

(マジデ皆さんありがとうございます!)

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その内容によると、中・小型のシギ類が採餌している潮間帯(潮が満ちると海水につかり、潮が引くと露出する場所)をすくってみると、入ってくるのは「多産するヨコエビの一種、ナミノリソコエビと、これに混じってヒメスナホリムシが少し入る」との事でした。

ナミノリソコエビ!!!

ネットで調べたら写真がありましたので、お借りします。“ねこのしっぽ 小さな生物の観察記録”というサイトで、画像使用OKでした。

ナミノリソコエビ 体長:4.4mm

また、当時千葉先生が採取して調べたシギのペリットの中の大半は「小型甲殻類の胴体や脚部の細断片」だったそうで、「しばしばナミノリソコエビが全く咀嚼を受けずそのまま含まれていることがあり、私を喜ばせた」との記載がありました。

まさに今回のペリットと同じ感じでは?

千葉先生、ほんと偉人ですよね…。時を超えて読ませていただく文章に、私は新しい知識を授けていただきました。

ちなみに、ヒメスナホリムシはこんなのでした。

ヒメスナホリムシ 体長:3.0-8.0mm

↑ ↑ このサイトの運営者は珪藻研究者とのことで、世の中にはすごい方がたくさんいますねえ。

んでんで、ヨコエビの種類ってどんなのがいるのかな~と本当に何気ない興味本位で “ねこのしっぽ” さんで調べてみたら・・・ちょっとこのページ、リンク踏んで見て欲しいのですが・・・

http://plankton.image.coocan.jp/Crustacea3-2-1-3-1.html

種類が多すぎて横転🤣!

ダメです、これは!!

「名前が分かったら、おもしろいな~」と軽く思っていた私ですが、こんな顕微鏡レベルで識別点を探すような生き物の同定なんて一般人にはまず無理ということを思い知りました。ということで、今回のエビっぽいものは「ヨコエビの一種」ということで😝

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波打ち際を行き来しては、地面にくちばしを突っ込んで採餌していたミユビシギ。

吐き出した15mmほどのペリットからは、「ヨコエビの一種」の破片が19個出てきた。それが事実。

渡りの途中で懸命にエネルギー補給してゆくシギたち。

調べると、ゴカイなどの多毛類、カニやヨコエビ等の甲殻類、二枚貝や巻き貝等の貝類、小魚類、最近ではバイオフィルムと呼ばれる微生物や藻類を食べるといわれています。

わたしたちの目には見えないけれど、たくさんの生き物がそこかしこにいて、生き物の命がつながっているというのを感じることができますね。

かわええ

目に見えないからといって、「ない」わけじゃないという事を私たち人間は肝に銘じておかねば…と少し冷や汗もかく思いです。

今回は目の前でペリットを吐き出してくれたミユビシギに感謝。

無事に渡れよ~!

【2025年8月27日追記】
バードリサーチの食性データベースに報告しておきました~。

以上です。

 

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