連日のタカの渡り観察に疲れが出た私は、今日は天気に乗じて休息日としました。全国で毎日渡り調査をされている皆さま、本当にお疲れさまです。
///
9月23日(火祝)に長野県の白樺峠へ行ってきました。タカの渡りの聖地と呼ばれるその場所は、新潟から車で約4時間、日帰りできるギリギリの距離です。
前日に3,000羽飛んでいて、予報は晴れ!残りの2,000羽が飛ぶのを期待しましたが、長野に入ったら「・・・え?くもり??」😢。
現地到着8:40、なかなかの曇り空です。

それでも退屈しない程度にタカが現れてくれて、それをゆっくり観察。正面の山の上や谷から現れては、おもに谷に沿って右側に流れていくコースが多かったです。

時々、タカ見の広場の真上や脇を通過する個体もいて、そういう時は個体をじっくり観察できます。
サシバ・ハチクマ・ツミ・ノスリ。いつものメンバーですが、近くを飛んだハイタカ属がツミっぽくなくて帰宅後に写真判定。
翼先分離が6枚なので、ハイタカorオオタカ。P5の突出が大きいのと、翼下面のしましまがはっきりしてるのと、観察時のサイズ感で「ハイタカ」と判定しました。

ハイタカ属の識別むずかしいですが、違和感に気付いて写真を撮っておいた自分を褒めてあげたいです😝
///
この日の一番のハイライトは、ちょうどお昼ごろに見つけたサシバの群れでした。ずーっと目で見ていて、写真を全然撮っていなかったので、私の拙いイラストでお伝えします。
①遠くの山の上にサシバの大きな柱を見つけるも、かなり遠くて12倍の双眼鏡で粉のような粒が見えるかどうか。
②その群れがだんだんと近づいてきて、タカの形が見えてきました。
③あまりの迫力に目が離せずに、ずっと見ていると、どんどんタカ見の広場に近づいてきます!こっちに来る!!ぜんぶで32羽。
結局、そのまま私たちの頭上を一直線に通過して流れていきました。ようやく後ろ姿をパシャリ!
わたし的に32羽が一気に来るのはそうそう見られないので、すごく「うわー!」と思ったのと、その迫力がすごいのに驚きました。
これは去年初めて白樺峠に行った時にも感じたのですが、渡るタカの雰囲気が山本山と全然違うんですよね。その正体は何なんだろうと考えていたのですが、この32羽を見てようやく分かりました。
渡ろうとする気迫が全然違うんです。山越えの覚悟というか。
白樺峠は、タカ見の広場で標高1,700mでした。2,000m~3,000m級の山を超えるのが、大変じゃない訳がない。渡りは常に命がけだけれど、その過程の中でも文字通り山場の一つな訳で、きっと海越え・山越えの時の彼らはこんな感じなのだろう。
タカの渡り観察のほとんどを地元で過ごしている私にとって、すごく貴重な気付きでした。彼らの旅の無事を、目的地までの安全を、心から願う。
マンガっぽくなって、いい話が台無しですが、こんな感じ。
サシバの気迫がいつまでも胸に残りました。
///
終始、曇天で光の加減が悪く、写真がすべて黒つぶれだったのが残念でしたが、距離感的にはこんな感じで ↓ ↓ 真上を飛ぶものも結構いて、わたしは目いっぱいにゆっくりとタカ観察を楽しめました^^

タカを探しても探さなくてもいい、見ても見なくてもいい、椅子に座ってのんびり構えて、時々立ってタカを見て・・・なにこれ最高ですか。

滞在中は最後まで大波が来ることはなく、体感的にMAX250羽くらいかな?と思ったら、公式発表は423羽だったので、滞在時間を考えると大体合ってました。
来られただけで嬉しい私は、充分満足です!😝
ゆっくり贅沢なタカ見もいいですし、いつか大波も見てみたいので、また来年も白樺峠に絶対に来よう!と思って山を下りました。
楽しい1日。運転を手伝ってくれた夫と、鳥たちに感謝!
(後編もあります)
以上です。