コハクチョウの子育て fromシベリア

先日、北海道にヒシクイが到着したとの報らせに「もう?早いなー!」と思いました。あと2ヶ月もしたらコハクチョウがやって来ますね。新潟の田んぼで冬を過ごすコハクチョウ、再会が楽しみです。

前冬のコハクチョウ

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コロナで自宅待機中だった私は、あまりにもヒマになりまして、ネットで見つけたシベリアのコハクチョウの映像を見ていました。

NHKの「NHKクリエイティブ・ライブラリー」という素材集なのですが、このサービス今月末(2025.9月末)で提供終了するみたいで、そこにある動画も以降は見れなくなるようです。

利用規約を確認したら、営利じゃなければ自由に使っていいよ、動画サイトにUPしてもいいよ、と記載がありましたので、以下の点から私の方で使わせてもらう事にしました。

  • 日本で撮影されたコハクチョウの映像は多々あれど、繁殖地での映像はなかなかなく、「さすがNHK」と思ったため
  • 私たちのよく知る「越冬期のコハクチョウ」ではなく、シベリアでつがいで子育てをしている様子が映像で見られるのがすごく貴重だったため
  • コハクチョウのヒナがもふもふチビで可愛すぎて、この生き物をたくさんの人に見て欲しい!と思ったため
  • この映像が消えてなくなってしまうのが勿体ないため

映像は全部で13本。巣の様子や、卵を抱く様子、ヒナの可愛いくちばし相撲や一生懸命エサを食べる様子が、広大なシベリアの大地と共に見ることができます。

面白そうなところからご覧ください~!^^

水上求愛ダンス

カモの求愛行動は冬の間もよく見ますが、考えてみるとコハクチョウの求愛ダンスは見たことがありませんでした。羽を広げて姿勢は低く、鳴き交わすのですね。とても新鮮。

コハクチョウの巣

インターネットで見つけたロシアの方が書かれた文献によると、巣は見晴らしのきく小高いところに作られ、毎年使うようです。直径120-130cm、高さ50-70cm以下とのこと。

巣の卵を抱く

オスとメスが交代で卵を温め、卵を抱いていない方は巣の近くで見張りをしているそうです。

卵の孵化

孵化の数日前から卵の中からかすかに声が聞こえて、産卵から13日目でヒナが生まれるそうです。ヒナの体重は180グラムほど。

もちろんすべての卵からうまくヒナが生まれるわけではなく、殻を破れずに死んでしまう個体がいたり、発育が遅く親についていけない個体は放棄されることもあるらしい。

ヒナじゃれる

くちばし相撲、かわいいですね!!あらゆるヒナはもれなく可愛いですが、こんなにふかふかで可愛いコハクチョウのヒナ、最強😝

お母さんの翼はヒナの隠れ場所

ヒナが孵化すると、親鳥はヒナを巣から連れ出すそうですが、休息時などにはまた巣に戻ってきて、ヒナ(幼鳥)が飛べるようになるまでは巣の周囲1キロ以内の狭い範囲で過ごすようです。

水たまりで泳ぎの練習

営巣場所には広い湖もあるようですが、まずは近くの「水たまり」で泳ぎの練習。親は足が着いていますね。

ツンドラではコハクチョウのヒナの多くは7月前半に現れるそうです。非繁殖個体の群れが換羽のために集まってくる場合もあり、繁殖つがいはこれらの個体を営巣場所からさかんに追い出すとのこと。

食事の練習

まだ小さいヒナが親鳥の真似をして水面に頭をつっこむところが何とも愛らしいですね。こうやって親の行動をよく見て学習していくのだ。

ヒナ水草食べる

ヒナを狙って撮影しているカメラマンの方ナイス―!と言いたくなる映像です。こんなに小さいヒナが、きっとシベリアの広い大地で豊富な食糧を得て、ぐんぐん大きくなるんだろうなぁ!

夕暮れの湖

これは是非見て欲しい映像ですが、コハクチョウ親子が過ごす湖がどんな場所にあるのかが分かります。広大でだだっ広い原野。他のコハクチョウすらいない。こんな環境を独り占めして彼らは繁殖している。過酷な旅をしてここを目指して帰る理由が少し分かる気がする。

コハクチョウ大きくなったね

幼鳥が飛べるようになるまでには45-50日以上かかり、十分に飛べるようになるにはそこからさらに2週間ほどがかかるようです。9月下旬にはツンドラの湖が凍り始めることを考えると、ほんとに飛翔能力が付いてすぐに長距離の渡りに出かけるのだな、という事が分かります。

群れで飛行

この映像の説明文には「ただいま長距離飛行のトレーニング中。」とありました。この群れの構成の内訳が不明ですが、繁殖後期にはこうやって群れになって過ごす場面も増えるのでしょうね。

蚊に刺され、蚊を食べる

これけっこう面白い映像です。止まっている蚊だけじゃなくて、ぶんぶんいう羽音がすごいですよね。これだけ爆発的に虫が発生するのだというのが分かります。コハクチョウだけじゃなく、シベリアで繁殖する鳥はそれをエサ資源にして子育てをするためにわざわざ遠い所まで行くのかなと思います。

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という事で、ヒマに任せて遥か彼方シベリアでのコハクチョウの子育てに思いを馳せてみました~。今頃は育った幼鳥が飛翔訓練をしている頃かな?

GPSコハクチョウのシオリやクルミも元気にしてるかな?今は通信圏外だけど、また電波が届くのが楽しみです。

長距離の渡りは過酷だけれど、日本で待ってるからね。

今年も無事に渡っておいで!!

以上です。

 

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