【物語】スノウの田んぼ

突然ですが、今日はハクチョウが主役の物語です。

「えっ!?どゆこと?」

先日、職場で「物語をつくる」ワークショップがあったのですが、参加者が小学校4年生の女の子ひとりだけで、講師とマンツーなのもかわいそうということで、急遽わたしも参加させていただくことに。

2時間のうち、30分くらい先生のお話を聞いて、残り時間で集中して制作。小4女子はネコ探偵(推理もの)の物語を書いていましたが、私はハクチョウの物語を書いてみました。

科学的じゃなくて申し訳ないのですが、なんでも出来るのが物語のいいところ!短いですので、是非読んでみてください。

イラストは家で生成AIで作成。小さいヒナが飛んでくるところが笑えるのもおすすめポイントです😝

それではどうぞ~。

スノウの田んぼ

ここは遠い遠い北の国。1羽の白鳥が旅の支度をしていました。その白鳥は羽が雪のようにまっ白なのでスノウと呼ばれていました。ある日、スノウは家族に言いました。

「寒くなってきたから、そろそろ温かい日本に帰るわよ」

そう、スノウの暮らす北の国は、冬にはあまりの寒さにすべてが凍りついてしまうのです。

こうしてスノウとその家族は北の国をあとにしました。

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スノウとその家族は強い雨の日も、前が見えない雪の日も、長い長い時間、長い長い距離を飛び続けました。子供の白鳥は「お腹がすいたよ」「疲れてもう飛べないよ」。その度にスノウは「もうちょっと、あと少し」と声をかけて飛び続けます。

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やがて長い旅が終わり、スノウとその家族はやっと日本にたどり着きました。みんなはもうへとへとです。スノウは家族を励ますように言いました。

「わたしのお気に入りの田んぼがあるから、そこに行きましょう!そこは美味しいイネがあって、昆虫もたくさんいる素晴らしい田んぼなの!」

スノウとその家族は、ワクワクしながらお気に入りの田んぼの上にさしかかりました。

「あっ!ない!」

そこにはスノウのお気に入りの田んぼは消えて、大きなショッピングモールができていたのです。

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「困ったわ…どうしよう」

スノウとその家族は近くの空き地に降りて途方に暮れてしまいました。みんな、お腹はもうペコペコです。子どもの白鳥は「クゥークゥー」と泣き出してしまいました。

するとそこに農家のおじさんが通りかかりました。

「どうしたんだい?みんなそんな顔をして、何かに困っているのかい?」

スノウは遠い北国から渡ってきたこと、お気に入りの田んぼがなくなってしまったことをおじさんに伝えました。すると、おじさんは優しい声でこう言いました。

「それなら私の田んぼにおいで。手間ひまをかけて大事に育てたお米だ、美味しいよ。」

スノウとその家族の顔が、ぱぁっと明るくなりました。

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農家のおじさんに教えてもらった田んぼで、お腹のすいたスノウとその家族は、ー心不乱にイネの落ち穂や草、昆虫なんかを食べました。
「むしゃむしゃ、美味しい!」

おじさんの言っていたことは本当でした。

そして、おじさんはこんなことも言ってくれていたのです。

「この冬の間じゅう、ずっといてもいいからね。エサは沢山あるし、広いから安全だ。そしてまた来年も、その次の年も、毎年やって来ていいんだからね。」

田んぼに日が落ちて、辺りは少しづつ暗くなってきました。お腹がいっぱいになったスノウとその家族は、安心して眠りにつくことができました。

おわり。

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自分的には、スノウのお気に入りの田んぼがショッピングモールになっていたくだりで「泣けるぅ~」となるのですが、優しいおじさんに出会えてよかったな、というところです。

田んぼを壊してショッピングモールを作るのは人間。困っている鳥を助けるのも人間。両方、人間なんです。

広い地球の中で暮らしているのは人間だけじゃないはずなのに、世の中は人間を中心にすべてが回る。私たちは暮らしの中でともすると人間社会しか目に入らなくなる。そんな世の中で、どうやって自然を守ろうとか言えるんだろうかとずっと考えてる。

本当は、すべての命が平等に生きられる世界を目指したい。限りある地球の資源を奪い合うのではなく分け合って利用したい。

でもそう思うのが間違いかのような風潮に心が折れかかる。

せめて、私はスノウのおじさんのような存在でありたいと思う。そうなれるよう。

以上です。

 

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