松之山のアカショウビン・ブッポウソウ

実家の猫が死んでしまって、ふとした時に「ココちゃん死んじゃった…」って思ってはめそめそしていた私でした。

ごはんを食べなくなってからも、ずいぶんと頑張ってくれたので、お疲れさまなのですが、体から魂が抜けていくのを見た時に猛烈に悲しくなりました。「ココたん死なないで!!」

悲しいし寂しいけれど、でも命は終わってしまうからいいんだよなとも思う。

ずっと可愛くて、いい子だったココちゃんありがとう。

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さて、恒例の「第69回松之山大探鳥会」に参加してきました。残念ながら、朝から雨で鳥もあまり出ず、でしたが、大事なお知らせがありますので、ぜひ読んでください。

前日の野鳥集会から参加して、昨年保護されたブッポウソウのお話や、松之山の貴重な自然の中に暮らす鳥たちのスライドなどを見せていただきました。

今日は朝4:30から探鳥会。いつもは60人くらい集まる人気の探鳥会ですが、今日は雨の為かやや少ない。それでも県外ナンバーの方も結構いらっしゃいました。

私は今まで行ったことのない「越道川(こえどがわ)コース」へ。雨で美人林コースが中止になり、そのメンバーがみんな須山コースへと流れたので、越道川コースは少人数でのんびり。私は雨なのと、ちょい二日酔いでカメラは持たず。

ブナ林の近くを飛ぶオシドリや、スギの木でさえずるニュウナイスズメ、カラスに追われて木に止まったサシバなどが見られて、松之山感ある観察でした^^

遠くからアカショウビンの声も聞こえて、嬉しかったです。

鳥合わせは37種。いつもは50種前後出る探鳥会なので、やはり少なかったですが、十分楽しめました。

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さて、ここからが本題なのですが、昨日の野鳥集会でも、今日の大探鳥会でも再三にわたって、昨年起きたカメラマンによるアカショウビンとブッポウソウの営巣放棄のお話がありました。

私はアカショウビンしか知らなかったのですが、ブッポウソウも巣箱前でカメラマンに構えられて巣を放棄したとの事でした。

主催者からは、参加の皆さんに松之山の実情を知って欲しいという事で、心無いカメラマンによって貴重な鳥の営巣放棄が起こってしまっていること、その対応に苦慮していること、ルールとマナーを守るようにみんなの意識や機運を上げていきたいなどのお話がありました。

昨年のアカショウビンの営巣放棄は、営巣木をカメラマンが取り囲み、多い時は車が30台以上並び、道路にはみ出し通行の支障となったり、下草が刈られたり、その辺りで排泄されたりと本当にひどい状況だったそうです。地元住民からも苦情の声が上がったそうで、おそらく以後同じような状況が発生したら立入禁止になるのではと思います。

個人的にはそこまでして撮った写真に何の価値があるのかと思いますが・・・カメラマンの皆さんには、自分の行動が野鳥に悪い影響を与えていると、どうかどうか自省してみて欲しいです。相手は私たちと同じ生き物で、単なる被写体ではない、遠く海を越えて命がけでこの地を目指して帰って来てくれた命なんです。種の存続をかけて懸命に生きている鳥に、少しでいいので敬意を払っていただきたいです。

そして、ブッポウソウに関しては、あの巣箱は最後に残った地域の個体群を守るために、新潟県野鳥愛護会と松之山野鳥愛護会の皆さんが架設し、長い時間をかけて見守ってきた巣箱であって、決してカメラマンの方のためのものではないのです。

私は何度か先生方に同行させてもらい巣箱を見せていただいたので、関係者の方が毎年、保護活動のために巣箱を用意して設置・シーズン中複数回の調査・地域の方への協力依頼や交流から、撤去やメンテナンス等々している事を知っています。

保護のための巣箱で営巣放棄が起こってしまうのでは、何のための巣箱なのか、カメラマンを誘引するだけの巣箱なら、かけない方がよいのではとなってしまう事を恐れています。

松之山野鳥愛護会のお願いを以下に掲載しておきますので、改めてご覧ください。

野鳥撮影についてお願い

マナーとルールを守って人にも野島にも迷惑をかけない
野鳥観察や写真撮影を目的に松之山を訪れる方が増えています。自然環境の豊かさや生物の多様性に注目して来訪してくださることは、地域も歓迎しています。
しかし、その一方で、私有地に入ったり、狭い農道に車を乗り入れて住民に迷惑をかけたり、保護活動で架設している巣箱や希少種の巣に接近し、長時間居座るなど撮影者のマナーの悪さが問題になり、地域の住民からも苦情が入っています。
そこで、特に野鳥撮影にあたっては「人の暮らしにも野鳥の暮らしにも迷惑をかけない」よう、下記のマナーを守って頂きたく、お願いするものです。
①人に迷惑をかけない
・民家のそばに居座らない
・田の畦や畑地には入らない
・農道に車を乗り入れない
・公道の交通を妨げない
・「立入禁止」や「お願い」看板の指示に従う
・ごみを残さない、落とさない
・草や木を伐らない、倒さない
②野鳥に迷惑をかけない
・営巣中の巣や巣箱には近づかない
・離れていても 20分以上留まらない
・野鳥を追い回さない
・音声による誘引はしない(鳥の声を流さない)
・餌付けはしない
・珍鳥や希少種の情報を公開しない

 どんな目に遭っても、松之山を訪れてくださる方々に対して規制はかけたくないとおっしゃる松之山野鳥愛護会の皆さんの気持ちを汲んでいただけたらと思います。

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豪雪地帯の湿潤な環境がもたらす豊かな自然は、私たちに心の豊かさも与えてくれるような気がします。そんな故郷のような環境をずっと残したいし、残さなければと思う。これからもたくさんの鳥が安心して暮らせるように、どうかご協力をお願いいたします。

あと、我々バードウォッチャーも多少なりとも野鳥にストレスをかけているのは間違いないですので、カメラマンの方だけを責めることはできないと思っています。ただ、保全のためには観察・調査は必須なので、私は常に野鳥への圧を考えながら観察するよう心がけています。

今、問題になっているのはルールを逸脱した「悪質な」場合ですので、上記のルールを守って、常識の範囲で楽しんでいただければ大丈夫なのです。

人の暮らしが自然からどんどん離れていくような時代ですが、私たちは足元のところを自然の豊かさに支えられています。自然を守ることが、人の暮らしを守ることだと信じて。

人と生き物が共生できる世の中を目指していきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

以上です。

 

1件のコメント

  1. こんにちは。
    松之山でも、探鳥マナーが問題となっているのですね・・・。
    都市公園でも工作物を園内に作って餌付けしたり、鳥の鳴き声を流しながら
    探鳥するバーダーが見られ、探鳥マナーの注意書きを頻繁に見掛けるように
    なりました。
    特に珍鳥が飛来した時などは、物凄い数の人が集結し大砲が並び、迷惑
    極まりない状態となります。

    命懸けで渡りをする鳥にとって営巣時期は重要で、一度放棄してしまったら
    再度の営巣は難しいことも多いですよね・・・。

    北海道のシマフクロウも人工的に巣を設けているところもあるようですが
    その場所は厳しく管理され、外部に漏れないよう細心の注意を払っている
    とも聞きます。

    松之山の巣箱の在処は、アクセスし易い場所だったのでしょうか。
    北海道の場合は、土地が広くヒグマの生息地と被るので一般のバーダーには
    ハードルが高いかもしれませんが、SNSの影響もあり、今はあっという間に
    情報が伝わってしまいますよね・・・。

    松之山温泉は一度、母と訪れた事があります。
    カメラを持って行かなかったのですが、温泉街裏手の山に登った際、
    階段で歩を進める度に、蛇がニョロニョロと姿を現し、「ひえぇ」と
    慄いたことがありました。(^^;)
    そして、丘の上から見た田園(お写真そのもの)で、サシバを発見した時は
    嬉しかったです。

    この美しい自然も様々な生態系の上に成り立っているのですよね。
    人もまた、その一部を担っているのであり、いつまでもこうした風景を
    残すためにも、せめて渡って来た小鳥達には子孫を残せるような環境を提供して
    いきたいですね。

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